介護の現場に「ありがとう」の輪を広げたい/神奈川県 保健福祉局福祉・次世代育成部高齢福祉課 課長小島誉寿(たかとし)さん


 神奈川県の総人口に占める65歳以上の高齢者人口の比率は、20.2%。(出典:2010年国勢調査)これは、47都道府県中46番目と低く、この順位は10年後もほとんど変わらない見込みである。一見すると「若い県」という印象の神奈川だが、全国でもトップレベルのスピードで、高齢化の波が押し寄せている。

神奈川県の高齢化の推移グラフ(冊子 「かながわ高齢者保健福祉計画」2012年3月版より)

「1947年から1949年に生まれた、いわゆる団塊の世代が65歳になる2015年には、4人に1人が高齢者となり、75歳になる2025年には、およそ3人に1人が高齢者になると予測されています。この2025年に備えて、介護職員の人員確保など、来るべき超高齢社会の到来に向けて、早急に準備を進めなければいけない」と、神奈川県 保健福祉局福祉・次世代育成部高齢福祉課 課長小島誉寿(たかとし)さん(51)=海老名市=は、緊迫した表情で語る。

「ありがとうカード」を手に持つ、神奈川県 保健福祉局福祉・次世代育成部高齢福祉課 課長小島誉寿(たかとし)さん(神奈川県庁分庁舎=横浜市中区日本大通1=にて撮影)=

 神奈川県における、高齢者人口の増加率は、2005年から2035年の30年間に全国で最も高い82.9%になることが予測されている。[出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の都道府県別将来推計人口(2007年5月推計)]

 全国的にも急速に高齢化が進み、介護を必要とする人が年々増す一方で、介護職員の不足が今まで以上に見込まれている。人材不足の背景として、介護の仕事が低賃金で3K(きつい・汚い・危険)といった、偏った報道などによるマイナスイメージが影響しているという。
 また、介護の仕事にやりがいを感じているものの、他業界と比較して賃金が低いことなどを理由に、若手の男性介護職員が結婚を機に他業界へ転職するケースが増えているなど、介護職員の処遇改善の必要性が指摘されているのが現状だ。

「新たな人材確保と若手の職場定着が課題です。マイナスイメージを払拭するためにも、介護の仕事の素晴らしさをもっと多くの人に知ってもらう必要がある」と小島さん。介護職員の社会的な評価を向上させ、やりがいと誇りをもって働けるように応援する取り組みとして、神奈川県では今年度から新たに「かながわ感動介護大賞~ありがとうを届けたい~」を創設した。

 小島さんが籍を置く神奈川県 保健福祉局福祉・次世代育成部高齢福祉課は、「介護に光を!」というスローガンを掲げ、県民参加型で介護の現場を活性化する運動を広げたいという思いから「かながわ感動介護大賞」を企画し、運営窓口として統括している。

 同賞は、「かながわグランドデザイン」の基本理念として、黒岩祐治神奈川県知事が提唱する「いのち輝くマグネット神奈川」と、知事が掲げていた「楽しくなければ介護じゃない」という言葉がきっかけになったという。

 また、同賞は、勤続20年以上の功労者を称える従来の「神奈川県介護賞」の表彰ではカバーしきれていなかった、若手に対する表彰制度としても位置づけられている。
「本来仕事とは、達成感を得られることで“楽しい”と思えるもの。これは、介護の分野においても同じです。たとえば、コミュニケーションの苦手なお年寄りが、今日は自分から話しかけてくれて、おだやかな顔をしていたとか、ベッドに寝たきりだったお年寄りが、介護職員と接することで、自分の意思で立ち上がることができたといった出来事の一つ一つが、日々の仕事の達成感であり、働く喜びにつながる」と、小島さんは続ける。

 同賞は、介護の素晴らしさを伝える感動的なエピソードを募集し、応募者や施設等を表彰するもので、7月上旬から募集を開始し、9月28日まで専用応募フォーム等で募集を受け付けている。最優秀賞1作品、優秀賞5作品が選考委員によって選ばれ、11月11日の「介護の日」に表彰する。

 表彰だけで終わらせるのではなく、介護職員を励ます県民参加型の運動として継続して広めていきたいとの意図から、介護を受けた高齢者やその家族らが介護職員への感謝のメッセージを記入して、その場で手渡せる「ありがとうカード」も制作した。2012年度は、一定枚数を集めた介護職員、上位500人に「サンクスバッジ(通称:金太郎バッジ)」を贈呈する。「ありがとうカードとサンクスバッジは、お年寄りにもなじみのある金太郎をイメージキャラクターにした。“ありがとう”の気持ちを形あるものとして伝えることで、介護職員を励ます運動として定着させていきたい」と、小島さんは意気込みを語った。「ありがとうカード」は、県内の介護保険事業所や老人福祉施設等に配布されており、県サイトからもダウンロードして、使うことができる。

「ありがとうカード」の表面にはイメージキャラクターの金太郎が。裏面には介護職員への感謝のメッセージが書ける

「かながわ感動介護大賞」では、優秀作品の現場をドキュメンタリー映像に収めてDVD化し、神奈川県立保健福祉大学(横須賀市平成町1丁目)等の教材などに活用する予定だ。映像製作費は、同賞の趣旨に賛同する民間企業などからスポンサーとして協賛金を募っており、すでに数社が決定している。スポンサーの募集期間は過ぎているが、現在も協賛金の申し出を受け付けている。

 また、感動エピソード以外にも、気軽に参加できるものとして、同賞の開催に合わせて介護サービス利用者の笑顔や満足感が感じられる写真を募集する「笑顔でありがとう」フォトコンテストを実施する。優秀作品は、順次、県のホームページや県が委託運営する情報提供サイトで紹介される予定だ。

 第1回目となる「かながわ感動介護大賞」の表彰式は、神奈川県立保健福祉大学で、11月11日の「介護の日」に行われる。当日は、「介護ロボット普及推進フォーラム(介護ロボットの実演や説明会)」や地域での支え合いをテーマとした「かながわあんしん生活支援フォーラム(認知症サポーター養成講座)」を合わせて開催する予定だ。
 小島さんは「介護の現場は、ここ10年で集団ケアから個別ケアへとソフト面でも大きく変わり、最先端技術を駆使したロボットやリハビリ器具などハード面でも、日進月歩で進化しています。若い人たちが夢や希望を持って働ける現場に変わりつつある。介護の現場で働く人はもちろん、介護の仕事に就くことを目指している学生や、介護現場の最先端の技術に興味がある一般の方にもぜひ参加してほしい」と呼びかけている。

▽神奈川県 保健福祉局 福祉・次世代育成部 高齢福祉課/神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/div/1393/

▽かながわ感動介護大賞の取組み/神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f417781/

▽かながわ感動介護大賞 「笑顔で、ありがとう」フォトコンテスト/神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f421023/

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「介護保険施設等見学会」参加者募集-介護保険制度の学習会と認知症サポーター養成講座が受けられ、1日で2施設見学できるチャンス!昼食体験も


介護保険施設等見学会の様子(公益社団法人かながわ福祉サービス振興会ホームページより)

「介護保険施設等見学会」は、神奈川県が主催し、事業の運営は神奈川県の委託により公益社団法人かながわ福祉サービス振興会が行っています。介護施設等におけるサービスの利用を考えている方々をはじめとする県民の皆さんに、介護保険制度などに関する学習会、認知症サポーター養成講座と介護保険施設等の見学会(1日コースで2施設見学)を実施するものです。当日は、施設利用者が普段喫食されている昼食も体験できます。参加費用は、昼食代のみ。尚、認知症サポーター養成講座に参加された方には、認知症サポーターの証となる「オレンジリング」が配られます。

同見学会は、県内の様々なエリアで開催しています。9 時15 分集合、午前中は介護保険制度の概要と認知症サポータ-養成講座、12 時から昼食、施設1の見学、バスで移動、施設2の見学、アンケート記載後、16 時 現地施設又は最寄駅にバスで移動し解散という流れになっています。介護入門編として、気軽に参加してみてはいかがでしょうか?

▽現在募集中の見学会はこちら。申込書をクリックすると、pdfがご覧いただけます。
介護保険施設等見学会 参加者募集 – 公益社団法人かながわ福祉サービス振興会
http://www.kanafuku.jp/2012-03-21-06-49-45/64-2012-04-26-01-34-11

<申し込み方法>
上記サイトより、申込書をダウンロードし、ファクスまたは郵送でお申し込みください。

<お問い合わせ・お申し込み先>
公益社団法人 かながわ福祉サービス振興会 介護保険施設等紹介支援事業
〒231-0005 横浜市中区本町2-10 横浜大栄ビル8 階
電話:045-210-0788 ファクス:045-671-0295
ホームページ : http://www.kanafuku.jp/

参加者多数の場合は、抽選になります。募集人員になり次第、応募を締め切らせていただきます。参加者のみ、見学会開催日の2週間前に集合場所などの詳細案内を発送させていただきます。(尚、見学施設に関しては、施設の都合により、変更になる場合があります。)

【当日のスケジュール概要】
 9:30  集合 バスにて施設(1)に移動
10:00  第一部(介護保険制度の概要説明: 約60分)
11:00  第二部(認知症サポーター養成講座: 約60分)
12:00  介護施設等での昼食体験、施設概要の説明(15分)
13:00  施設見学(45分)、質疑応答(15分) 
14:00頃 施設(2)へバスで移動
14:30頃 施設(2)見学(60分)、施設概要の説明(15分)
15:45頃 終了 アンケート記載
16:00  近隣駅にバスで移動 解散(又は施設で解散)
<留意点:スケジュール時間割は施設と交通事情で前後いたします。>

【情報源】
介護施設等見学会 – 公益社団法人かながわ福祉サービス振興会
http://www.kanafuku.jp/2012-05-22-07-32-15

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【動画】知的に障害があることへの理解を深めて、誰もが安心して暮らせる街づくりを-相模原市


仕事風景


社会福祉法人 相模原市社会福祉協議会(ともしび運動推進組織)が、2011年3月に制作したDVD映像『みんないいひと さがみはら~知的に障害があることの理解~』をお届けします。

知的に障害があることの理解を深めるための映像には、普段の仕事ぶりや保護者の方のコメントも寄せられています。

「いろいろな人がいると認めてくれると気持ちがホッとする」という言葉のように、障害のある人もない人も、誰もが安心して暮らせる街づくりは、お互いを知り、理解しようと思う気持ちからはじまるようです。

相模原市社会福祉協議会(市社協)は、「地域住民の参加と支えあいによる福祉のまちづくり」を実現するために、住民やボランティア、市民団体の方々など市域の福祉関係者とともに地域福祉活動を中心に様々な活動をする民間の福祉団体です。ホームページでは、福祉に関する情報発信を行っています。

▽リンク
相模原市社会福祉協議会 ~みんないいひと~
http://www.sagamiharashishakyo.or.jp/index.html

投稿者:sagamiharashishakyo
投稿日:2011/07/10

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全国の福祉ショップが集まるシンポジウムが鎌倉で開催。参加者募集中!宮城の福祉施設からの講演や商談会も。ネットワークづくりのチャンス!


『全国福祉ショップネットワーク~明日を拓く福祉ショップ~』前回の様子

『全国福祉ショップネットワーク~明日を拓く福祉ショップ~』前回の様子

2/11(土)10時~鎌倉市のレイウェル鎌倉で「全国福祉ショップネットワーク~明日を拓く福祉ショップ~」が開催されます。福祉ショップと就労支援施設の橋渡しの場として毎年開催しているこのイベントは、鎌倉のボランティアグループ「朋」が企画しており、全国の福祉ショップの交流の場となっています。特に、各地から集まった福祉団体が手作り製品を披露し商談や情報交換を行う「商談会」は毎回人気を集めています。
現場の生の情報が行き交う福祉ショップの集いである同イベントでは、ただいま参加者を募集中。福祉ショップ・施設関係者ほかどなたでも参加できます。参加費は1,000円。お申込はこちらから。

3月の大震災以後、「朋」では東北の福祉施設から手作り製品を仕入れ、お店や地域のバザーで販売しました。その縁で今回は、宮城県角田市の社会福祉法人臥牛三敬会理事長・湯村氏をむかえた講演会も開催します。
沿岸部の施設では津波で流出の被害もありましたが、地域とのつながりの中ですでに新しい地に施設を構えて活動おり、そのお話を詳しくお伺いします。

イベントをサポートする、障害児者スポーツクラブ「ぷれいす」の深見さんは「日本全国に点在する作業所や福祉施設。とっても多くの素晴らしい製品が作られています。でも、職員の方々は日々の支援があるので、なかなか販路を拡げることができません。このようなイベントを通し、作る側と売る側のネットワーク構築がスムーズになっていけばと考えています。障がいを持った方が作り出す製品に関わる多くの方々にこのイベントへ参加していただきたいと思っています。飛び込み参加も大歓迎です。ぜひ足をお運びください!」と話しています。

【情報源】
全国福祉ショップネットワーク~明日を拓く福祉ショップ~
http://bit.ly/xW6Kmk
▽リンク
福祉ショップ|鎌倉 朋(とも)
http://www.f2.dion.ne.jp/~mainet/
【関連記事】
ハンディキャップヨガを通して、障害のある人もない人も一緒に生きていける湘南を目指そう!-ぷれいす代表 深見勝弘さん | かなマグ.net
http://kanamag.net/archives/14560
障害を持った自分だからこそ、できることを見つけた-「アビリンピック神奈川2011」機械CAD部門金メダル受賞、藤井優さん | かなマグ.net
http://kanamag.net/archives/25235

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「神奈川県バリアフリー街づくり賞」に、川崎駅東口駅前広場、アリオ橋本など4件が受賞-先進的な施設整備や優れたバリアフリー教育をご紹介!


ハード部門で受賞した川崎の東西連絡歩道橋のバリアフリー整備


誰もが安心して利用できる先進的な施設整備や優れたバリアフリー教育などの活動に対して贈られる「神奈川バリアフリー街づくり賞」。2008年から始まりました。今年度はハード、ソフト部門で4件の受賞が決定し、1月31日に表彰式が行われます。

◆ハード部門受賞(2件、3団体)
川崎駅東口駅前広場及び東西連絡歩道橋
連絡歩道橋や広場のバリアフリー化で誰もが安全で移動しやすい空間に変身
【被表彰者】川崎市(設置者)
【所在地】川崎市

アリオ橋本
問い合わせコール、事前登録した方のみがリモコンでゲートを操作できる車いす利用者専用駐車場、多目的トイレ(12箇所)の配置など利用者の声を反映した店づくり
【被表彰者】1.株式会社イトーヨーカ堂(設置者)
      2.株式会社モール・エスシー開発(設計者)
【所在地】相模原市

◆ソフト部門受賞(2件、2団体)
バリアフリー教育の取組み
伊勢原市内の小学校でバリアフリー教室を開催し、子ども達に助け合いや障害者理解などの意識を育む取組み
【被表彰者】伊勢原・福祉のまちづくりを進める会
【活動地域】伊勢原市

◆バリアフリー教育などの福祉教育の取組み
セミナーのプログラムを参加者とともに企画するなど、市民、関係団体、行政との協働による心のバリアフリー等の福祉教育を普及
【被表彰者】(社福)逗子市社会福祉協議会福祉教育拡充チーム
【活動地域】逗子市

【情報源】
神奈川県バリアフリー街づくり賞 決定 ~川崎駅東口駅前広場、アリオ橋本など4件が受賞~ – 神奈川県ホームページ
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p415025.html

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