異業種のクリエイターとコラボレーションして植物の新たな魅力を伝える「Furuya Plants」が、ファーマーズマーケットに初出店


1938年創業、約12,000坪の広大な敷地で植物の生産・卸・販売を行う老舗の「Furuya Plants(古屋植木)」(横浜市神奈川区菅田町)が東京の国連大学前(渋谷区神宮前)で毎週土日の10時~16時で開催している、ファーマーズマーケットアソシエーション主催の「ファーマーズマーケット」に7月9日初出店した。

ファーマーズマーケットに出店中のFuruyaPlants小川さん(左)とマルタさん(右)。農芸園芸集団「バリカンズ」を主宰するスタイリストの岡部文彦さん(中央)も来店。手ぬぐいも販売した。

ファーマーズマーケットへの出店は「Furuya Plants」の3代目、小川聡さん(32)と同社員で妻のマルタさん(33)が、流通量が少なくあまり知られていない植物の魅力をもっと多くの人に伝えたいという目的で始まった。

会場のブースには個性豊かな形をした多肉植物をはじめ、南国をイメージさせるピンクバナナや、盆栽のような見事な枝ぶりをしたローズマリー、葉の色が珍しい観葉植物など約30種類の植物が展示された。

植物の名前や生産者のメッセージが添えられた、手描きのポップが目を引く。値段も400円程度からありプレゼントとして購入する人も。

今後も月1回、このファーマーズマーケットに出店し「部屋やベランダで簡単に育てられるものを中心に、毎回違った植物に出会えるように趣向を凝らしていきたい」と話す。(出店情報は、Furuya Plantsのブログで告知)

小川さんは、もともと建築やアートに興味があり、植物の曲線が描く自然な造形美に魅了されたという。「植物を土に植える行為は、人と植物が地球に描くアートだと思う」と語る小川さん。そんな小川さんが古屋植木の3代目として仕事を手伝い始めたのが2000年頃。

同社は2007年に、日本最大級・樹齢1,000年といわれるオリーブの木50本をスペインで2カ月かけて水洗いし、燻蒸消毒をせずに直接輸入することに成功した日本で唯一の企業。植え込み用の大型の植物アガベやユッカを多く輸入しているのが特徴だ。
また、ホームページやブログを開設し、珍しい植物を写真入りで紹介。原産国や育て方、他の植物との組み合わせ方のアドバイスなどわかりやすく伝えている。このような取り組みもあって、2007年頃から公園や街路樹といった公共の緑化木から取引先が大きく変わり、現在は店舗や民家などへの植栽が増えているという。
小川さんとマルタさんがこうした新しい切り口の事業展開に挑戦できたのも、2代目で現・社長の父喜良さんの理解があったからだという。

小川さんはファーマーズマーケットでお客さんとのコミュニケーションを図る一方で、地方で頑張っている小さな生産者を応援しようと、年に2回地方へ出張し、視察や仕入れも行っている。「情報が少ない地方の生産者に対して、都心ではどのような植物に需要があるかなどを継続的に伝えていきたい」と語る。

苦労を共にして輸入したオリーブの木。仲良くなりすぎて、値札を付けることができなかったものも。力強くゴジラに似ていることから「松井」と名付けられている。

「植物は自然が描くアート」という思いを抱く小川さんは、スタイリストの岡部文彦さん(35)=東京都世田谷区在住=が主宰する農芸園芸集団「バリカンズ」のメンバーとして活動することになった。「ゲリラ・ガーデニング」と呼ばれる町の中に植物をゲリラ的に植えるストリートパフォーマンスにも参加しており、ゲリラ・ガーデニングに使う植物の選定やバイヤーを担当している。

岡部さんも「Furuya Plants」の試みに共感する一人。自らがデザインを手がける農園芸ウェアブランド「HARVESTA!」のニッカパンツを作業着として提供している。「Furuya Plantsのように、クリエイティブな発想で今までにないことに取り組んでいる人達にウェアを着てもらうことで、園芸や農業に興味がなかった人にもきっかけづくりができれば」と岡部さん。

スタイリストの岡部さんがデザインを手がける農園芸ウェアブランド「HARVESTA!」のニッカパンツを作業着として愛用。赤いジップがアクセントに。

6月18日に渋谷で開催された「バリカンズ」のイベントでは、マルタさんが自社にある窯で焼き上げたオリジナルの植木鉢を、渋谷のセレクトショップ「GARDEN」で販売し好評を博した。

マルタさんが陶芸で作ったオリジナルの植木鉢。色や柄の違う数種類のデザインを手掛けた。(Furuya Plantsブログより)

「趣味で作っていた植木鉢を販売することで、お客さんに喜んでもらえたのがうれしい」とマルタさん。「植物は葉っぱの色、ふの入り方、形、すべてがアート。いつかギャラリーで、植物をアートの視点で見てもらえるような展示をやってみたい」とにこやかに語る。

スタイリストやカメラマン、デザイナーなど異業種のクリエイターと有機的にコラボレーションし、植物の魅力を発信する「Furuya Plants」の試みは、ファッション、アート、ガーデニングを融合した新たなムーブメントを予感させる。

▽リンク
Furuya Plants 古屋植木
http://www.furuya-plants.com/

Farmer’s Market ファーマーズマーケット – @ UNU – @ 国連大学前 – @GYRE
http://www.farmersmarkets.jp/

VALLICANS HARVESTER
http://www.vallicans.com/

▽関連動画
【動画】かなマグ.netスクープ映像!横浜市菅田町の「Furuya Plants」で、100年生きるアガベの花がついに開花!
http://kanamag.net/archives/6042

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