未来を担う子どもたちに、海のごみ問題を知って欲しい-設立20周年を迎えた かながわ海岸美化財団の柱本健司さん


鵠沼海岸でのビーチクリーン風景

9月18日、藤沢市鵠沼海岸で「国際海岸クリーンアップ2011」が行われた。この取り組みは、米国のNGO団体である「Ocean Conservancy(オーシャン・コンサーバンシー)」が主宰する国際的なごみ拾いキャンペーン活動として1986年から始まった。9月3日~10月2日までの期間中、神奈川県内各地の会場で海岸を一斉清掃する。

この日は、公益財団法人かながわ海岸美化財団(茅ヶ崎市汐見台1)設立20周年記念事業の一環として、地元の子どもたちや保護者、企業、団体など約300人が参加し、鵠沼海岸のごみ拾いと、調査シートに記入して種類別に統計するごみ調査を体験した。

同財団は、相模湾を中心とした海岸の美化を目的として1991年に設立され、今年で20周年を迎えた。横須賀市走水海岸から湯河原海岸まで、約150キロメートルの自然海岸を、人力と海岸清掃専用の重機ビーチクリーナーを併用して効率よく清掃し、年3回のビーチクリーンアップのイベントを実施。

ビーチクリーン活動の支援や、海岸美化に関する調査、ごみの持ち帰り運動など、広報誌などを使って、これまでも継続的に海岸美化の啓発に取り組んできた。これらの取り組みにより海岸清掃ボランティアの登録数は現在14万9千人となっている。

「国際海岸クリーンアップ2011」に参加した約300人のボランティア。地元湘南エリアをはじめ東京方面からも集まった。

「海岸清掃ボランティアの数は増えましたが、依然としてごみの量は減っていないのが現実。海岸ごみの約7割が川から流れてくるごみという事実をもっと多くの人に知ってもらい、ごみの根源を絶つ啓発活動を行っていきたい」と、同財団の柱本健司さん(40)=藤沢市=は話す。

「なぎさのハンドブック」を手に持つ、かながわ海岸美化財団の柱本さん。「海は本来、子どもたちにとって楽しい場所です。ごみ問題と一緒にそのことも伝えられるように工夫しました」と語った。

未来を担う子どもたちに、海のごみ問題への関心を促すため、今年に入って「NAGISA20(ナギサトゥエンティー)」と称した20周年の記念事業をスタート。 絵本調の親しみやすいイラストを用い、海岸ごみの実態をわかりやすく解説した環境テキスト「なぎさのハンドブック」を作成し、電話やインターネットで注文を受けて希望する小学校や団体・個人に無料で配布すると共に、学校キャラバンとして年内に県内30カ所の小学校で授業を行う予定だ。

「神奈川県内すべての学校を回りたいという気持ちで、力を入れてやっています。特に海岸から離れた内陸部のまちに住む子どもたちに、自分たちの身の回りのごみを拾うことが海をきれいにすることにつながることを知ってもらいたい」と熱い思いを語った柱本さん。「なぎさのハンドブック」は小学4年生以上を対象としており、大人が読んでも楽しめる内容になっている。
設立20周年記念事業「NAGISA20」では、10月29日に神奈川県立かながわ女性センター(藤沢市江の島1)で、フォーラムを開催する予定だ。ごみの発生抑制の効果的な方策や拡大した清掃の仕組みを検討するシンポジウムを行う。「交流会では情報や意見交換を通じて連携を深めてもらう機会をつくるとともに、ボランティアを増やすための試みや、効率的な海岸清掃の仕組み、企業や団体から資金援助を受けるための取り組みなど、これまで財団が培ってきたノウハウを共有する場にしたい」と柱本さんは意気込みを語る。

神奈川県をはじめ、相模湾に面する市町村や企業や団体からの資金援助と協力を受けて、官民一体となって広範囲にわたった海岸清掃をしている事例が他県にないことから、同財団の取り組みには県外からも注目が集まっているという。10月のシンポジウム・交流会は、全国で環境問題に取り組む団体や企業、ボランティア活動に取り組む人たちにとっても、有意義な場になりそうだ。参加の申し込みは同財団の電話で受け付けている。フォーラムについての申し込み・問い合わせは、公益財団法人かながわ海岸美化財団TEL:0467-87-5379

▽リンク
公益財団法人かながわ海岸美化財団ホームページ
http://bikazaidan.main.jp/

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