かながわ金太郎ハウス開設から2週間!「えにしを絆に」/神奈川県黒川副知事、遠野市本田市長からのメッセージ


かながわ金太郎ハウス開所式後談笑する、遠野市本田敏秋市長(左)と神奈川県黒川雅夫副知事(左)/撮影、かなマグ.net編集部

かながわ金太郎ハウス開所式後談笑する、遠野市本田敏秋市長(左)と神奈川県黒川雅夫副知事(左)/撮影、かなマグ.net編集部

神奈川県の被災地ボランティアの拠点として、岩手県遠野市にオープンした「かながわ金太郎ハウス」。開所から2週間がたちました。
2週間の間に、かながわ金太郎ハウスを訪れたボランティアは、のべ240人。日ごとに変わる被災地の作業で、充実した汗を流しました。 続きを読む

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岩手県遠野市に災害ボランティア拠点「かながわ金太郎ハウス」開設/神奈川から常駐スタッフに着任した安田樹さんに聞く


かながわ金太郎ハウス開所式、テープカット。左から3人目が神奈川県黒川雅夫副知事、右から3人目が岩手県遠野市本田敏秋市長

かながわ金太郎ハウス開所式、テープカット。左から3人目が神奈川県黒川雅夫副知事、右から3人目が岩手県遠野市本田敏秋市長

 神奈川県被災地ボランティア活動の拠点「かながわ金太郎ハウス(正式名称・かながわ東日本大震災ボランティアステーション遠野センター、岩手県遠野市大工町)の開所式が、7月24日午前8時から行われた。
 神奈川県からは黒川雅夫副知事、遠野市からは本田敏秋市長など18名の来賓と、同日朝神奈川県からバスで到着したボランティア26名など、約50名が参加しての、盛大な式となった。

 黒川副知事からは、震災発生から4カ月余を経てようやく神奈川県から被災地を訪れるボランティアのための拠点を設けられた意義、さらにその設置にあたり全面的な協力を惜しまなかった遠野市への感謝の言葉が述べられた。

 遠野市本田市長からは、神奈川の県花と遠野市の市花が同じ「やまゆり」であるということ、かながわ金太郎ハウスと静岡県のボランティア滞在拠点「まごころ寮」が隣接していることなどを引き「ボランティアに県境はありません。『遠野の心』を、一緒に被災地に届け続けていきたい」との決意を、新たな拠点スタートに臨む神奈川県関係者に贈った。

かながわ金太郎ハウスで勤務することになった安田樹さん

かながわ金太郎ハウスで勤務することになった安田樹さん

 この「かながわ金太郎ハウス」には、現地岩手県のスタッフ3人(8月より5人)と神奈川県から2人のスタッフが常駐する。
 そのうちの1人が、「かながわ金太郎ハウス」で常勤スタッフを募集していると話を聞き、真っ先に問い合わせた安田樹さん(26歳)=横浜市神奈川区=だ。18歳から国家公務員として6年間勤務していた安田さん。その頃の悩みは「自由時間がないこと」「かかわる人が限られていること」だった。
 「いろいろなところに行きたい、様々なジャンルの人と関わりたい」との思いで目指していた青年海外協力隊の募集が、東日本大震災で延期になったことを機に、被災地でできるボランティアを探した。
 しかし震災発生直後で、現地にボランティアが殺到している状態であったため「被災地に行かなくてもできるボランティアを」と探し、見つけたのが神奈川災害ボランティアネットワーク(以下KSVN)、県などが共同で運営する「かながわ東日本大震災ボランティアステーション」(横浜市神奈川区鶴屋町)だった。
 安田さんは5月中旬の説明会の翌日から、横浜にあるステーションでサポートを始めたが、いつか現地で活動したいという思いは消えることがなかった。
 6月に神奈川県とKSVNなどが共催するボランティアバスで、初めて被災地・岩手県山田町に入った。そこで従事したボランティア作業を通じて知った被害の大きさに「長期的にかかわっていこう」と決意。さらに、三陸の風土の美しさにも感激し「もっとこの土地を知りたい」と現地で働くことへの思いを深めていったという。
 安田さんは、金太郎ハウス開設に先立つ7月22日に遠野入り。現地勤務を始めて間もないが、地元・遠野市の連携団体や住民から、神奈川県に対する歓迎ムードや期待感を肌で感じているという。また、かながわ金太郎ハウスで共に働くスタッフにも恵まれ「神奈川と被災地をつなぐ仕事に全くのゼロから関わることができ、毎日非常に充実しています」と顔を輝かせる。

 震災から4ヶ月余りが経ち、被災地のニーズも変化し、それに伴いボランティア活動も変化してきているという。家屋の泥出しや瓦礫の撤去という、いわゆるハード面の支援から、夏から秋にかけて多く行われるお祭りの手伝いや仮設住宅の見回りなど、ソフト面の需要も増えている。
 安田さんは「かながわ金太郎ハウスを利用して、神奈川に住む人たちにそれぞれのスタイルに合った支援を続けていってもらいたい」と話す。

 かながわ金太郎ハウスは、プレハブ2階建てで延べ面積は208平方メートル。男女別の広間が3室あり、ここに宿泊する。また、共用トイレ・シャワー・洗面所と事務室などを備える。最大40人が無料で宿泊できる。(食事代は別途支払い)
 また、打ち合わせや物資保管など多目的に使用できる別棟の平屋プレハブ(延べ面積104平方メートル)は小松製作所(本社東京都)、電源に使用するソーラーパネルは東芝(同)から提供を受けた。
 開設後しばらくは、ボランティアバスによる団体をメーンに受け入れていく方針だ。かながわ金太郎ハウス利用の問い合わせは、かながわ県民活動サポートセンターボランタリー活動サポート課。電話045-312-1121 内線2824まで。

▽参考サイト
岩手県遠野市に「かながわ金太郎ハウス」誕生/ 神奈川災害ボランティアネットワーク 東日本大震災特設サイト
http://ksvn.jp/news/authority8728.html
神奈川県が遠野に支援拠点 ボランティア宿泊施設/岩手日報
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110725_11
遠野に新たなボランティア宿泊施設-通称「金太郎ハウス」 – 盛岡経済新聞
http://morioka.keizai.biz/headline/936/

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